今年も春とともにFANTANIMA!の季節がやってきました。
今年のテーマは「home」。
美術チームを率いる飯野モモコさんが考えてくれた素敵なテーマです。
2020年、コロナを予感していたような「in the dark…」
2021年、閉ざされた生活が明ける日を思う「mebuki」
2022年、光を求めて漂流するような「wonder」
2023年、国境を超えたつながり想像する「imagine」
これらのテーマは前年の秋に決めていたのですが、偶然にも翌年のFANTANIMA!の時勢に合ってしまいました。
今の世界はどうしたのでしょう。戦争という、なかなか治らない病気に冒されているようです。
もし、武器を持つ人たちが皆、戦いを忘れて家に帰ってしまったらどうでしょうか。
簡単そうだけど、難しい。
でも、本当にそうなってほしい。
誰もが強く、家に帰りたい、家を大切にしたいと思ってほしい。
私の家がたいせつなら、あなたにとっても家はたいせつだよね。
そう思いあって、帰る場所をたいせつにしたい。
homeのテーマを掲げながら、そのような思いで今年のFANTANIMA!を準備しています。
今年はとても素敵なことがありました。
ウクライナのレムール・ロリさんが出品できることになったのです!
ロシアに侵攻されたルハンシクで、彼女は自由に海外と交流ができないでいました。
それをロシアの作家が、日本に作品を送る手伝いを申し出てくれたのです!
レムール・ロリさんは参加にあたり、こう書いてきてくれました。
(ロシア人が参加する展示会の参加拒否をするウクライナ人作家がいるということを受け)
「正直にいうと、創作する人間はもっと寛容であってほしいです。結局、私達は作品で愛や受容や、人間だけが持ちうる性質が大切だということを語ろうとしているんですから。
私はウクライナの作家として、私達を支えてくれたことへのお礼として、本当にFANTANIMA!を応援したいと思います。」
この言葉を受け、今年は作家の国名を表記することにしました。
FANTANIMA!に参加する作家たちは、どこの国にいても平和を願う気持ちは同じです。
FANTANIMA!は、平和を願う作家たちのhomeなのです。